新型コロナ座談会 連鎖断てるか、この1~2週が正念場
2020年2月27日
押谷氏 新型コロナウイルスについて最大の謎は、濃厚接触者を調査しても感染の連鎖が全然みつからないことだった。それなのに、なぜ流行するのか。1人が10~20人に感染させているようなクラスターがあるはずだ。それ以外の感染の連鎖は自然に消えていく。
だからクラスターを見つけて、他に広がらないようにつぶせばよいと、2週間前に気がついた。かなりの確率で収束に向かわせられるチャンスはある。感染の広がりの予測を手がける北海道大学の西浦博教授に話したところ、同じことに気づいていた。クラスターが確認されれば、対策を講じて連鎖を抑えれば、早い時期に収束させられるはずだ。
武漢の都市封鎖について
押谷氏 武漢市は新型コロナウイルスの怖さに気づいていなかったのだろう。重症者は少なく医療従事者の感染もないため、最初は制御しやすいと考えていたと思う。
都市を封鎖するのは19世紀の対策だ。市民や国民の行動を制御することで感染拡大を抑える方法があると考える。
尾身氏 感染拡大を防ぐだけが目的なら、中国と同じことをやればよい。しかし、人々の移動まで止める必要はない。一人ひとりの感染予防はもちろん重要だが、もっと合理的な21世紀型の対策があるはずだ。
中国を批判するのは収束した後にやればいい。中国は色々な対策を講じており、日本が学ぶことがたくさんある。